ゴッドファーザー PART2は2つの物語を平行して描く映画
ゴッドファーザー PART2、この映画では前作に続くマイケル率いるコルレオーネ・ファミリーのその後と、若き日のヴィト・コルレオーネがファミリーを築くまでの二つの物語を平行して描いている。上映時間も前作より更に長くなり、約3時間半となっている。
この二つの物語を平行して一つの作品として上映するという手法に、コッポラは非常に情熱を傾けたらしい。
ファミリー・ビジネスの合法化を実現しつつ、社会的地位も確立していくゴッドファーザー PART2のマイケルは、ファミリー(組織)を守ろうとする反面、代償としてファミリー(家族)を失っていく様を描いている。これは若き日のヴィト・コルレオーネがファミリーを築いていく過程との対比をさせていることにより、よりいっそうマイケルの苦悩を深刻に浮き出させるという非常に上手い表現の手法を取っているように思える。
若き日のヴィト・コルレオーネの物語はもともとの原作にあるものを起用しているが、それ以外はコッポラと原作者のプーゾで脚本を新たに書き上げたものだ。
個人的に言わせてもらうとマイケルのその後のストーリーについてはわかりにくい。新たに書き上げたものといっても、ベースとなる史実と重ねたストーリーなので、その当時(物語上の年代)を知っている人ではないと不明な事が多すぎる。
ここでいう史実というのはキューバ革命と組織犯罪調査委員会の事であり、登場人物についてもそれに沿った人物を基にしている。この物語の年代当時に話題になった史実を絡ませ脚本として起用する方法はゴッドファーザー パート3にも見られる。
ゴッドファーザー PART2の裏話
また、裏話にはなるが、二つの異なる物語を一本の映画としてみせる事により、編集時に多大な時間と労力が費やされた。それにより、さまざまなカットを色々な形で編集した際、話の展開が上手く繋がっていない部分も少なからずあったとの事。これは編集で数時間分のシーンがカットされる過程で重要な台詞が抜け落ちてしまった為だ。
それに加え、二つの異なる物語が一つの映画の中で行き来する為、非常にわかり辛い内容となり、公開直後は批判的な意見が目立ったという。
この時コッポラは友人のジョージ・ルーカスに「君は二つの映画を抱えているんだ、どちらかを捨てなくちゃ」と助言されている。
ゴッドファーザー PART2は、アカデミー賞6部門受賞
ゴッドファーザー PART2は、アカデミー賞9部門で11個のノミネートで6部門受賞、また大袈裟だが現在ではアメリカ映画史上における最高傑作とまで言われている。そのアカデミー賞に関しても、これだけの偉業を成し遂げた映画は未だかつて他にはない。
前作(ゴッドファーザー)のでも作品賞を受賞し、続編のこの映画でも作品賞を受賞している。
また同じ人物(前作ゴッドファーザーでのヴィト・コルレオーネと続編での若き日のヴィト・コルレオーネ)を演じてオスカーを得た俳優は、マーロン・ブランドとロバート・デ・ニーロの2人のみである。